Count & Tracking / コンベア計数

コンベア上の個数カウント
AIで自動化する

コンベアライン上を流れる製品や箱の数を、人が目視で数えていませんか。光電センサーでも数えられますが、製品の重なり・高速搬送・多品種混在があると誤カウントが起きやすくなります。本記事では、AIカメラによる個数カウントの仕組み、センサー方式との違い、誤カウントが起きる要因とその対策、導入の進め方を整理しました。物流・製造現場で画像AIを運用してきたNsightの視点でまとめています。

2026-06-22 / 最終更新 2026-06-22 / 読了時間:約10分
01
光電センサーは安価で単品ラインに強いが、重なり・多品種・形状ばらつきに弱い。AIカメラは画像で個体を認識でき、品種別の内訳も取れる。
02
誤カウントの主因は重なり・高速搬送のブレ・照明ムラ・多品種混在。撮像条件(速度・照明・撮像位置)の設計で精度が決まる。
03
多くの場合、既存コンベアを大改造せずカメラ追加で導入できる。小さく試してから本格導入するのが堅実。
― 目次
  1. なぜコンベアの個数カウントでつまずくのか
  2. 光電センサーとAIカメラの違い
  3. 誤カウントが起きる4つの要因
  4. 精度を上げる撮像設計
  5. AIカメラ計数が向くケース
  6. 導入の進め方
  7. 関連記事・関連ソリューション
  8. よくある質問
― 01 / 課題

なぜコンベアの個数カウントでつまずくのか

コンベア上を流れる製品や箱の数を正確に数えることは、出荷管理・在庫管理・生産実績の基礎です。しかし人が目視で数えると、長時間の集中は続かず、見落としや数え間違いが発生します。検品担当の負担も大きく、人手不足の現場では大きな課題になっています。

そこで多くの現場が光電センサーによる自動計数を導入していますが、製品が接触・重なっていたり、サイズや形状がばらついたり、複数の品種が混ざって流れたりすると、思うように精度が出ないことがあります。「数えているはずなのに実数と合わない」という悩みは、こうした条件で起きがちです。

本記事では、画像AIによる個数カウントが、こうした難しい条件にどう対応できるかを整理します。個数カウントの全体像は有無検査・個数カウントの自動化ガイドも合わせて参照してください。

― 02 / 比較

光電センサーとAIカメラの違い

個数カウントには大きく「光電センサー方式」と「AIカメラ方式」があります。どちらが優れているという話ではなく、ラインの条件によって向き不向きが分かれます。

観点光電センサーAIカメラ
仕組み通過した物体を点で検知画像で個々の物体を認識
導入コスト安価カメラ・処理装置が必要
単品・安定ライン得意対応可(オーバースペックな場合も)
重なり・接触苦手(まとめて1とカウント)認識の工夫で対応可
多品種混在苦手品種別の内訳も取得可
形状・サイズばらつき苦手対応しやすい
付帯情報数のみ数+種類+位置+画像記録

つまり、安定した単品ラインは光電センサー、重なり・多品種・ばらつきがあるラインはAIカメラが向きます。AIカメラは数だけでなく「何が・どこに・いくつ」を画像とともに記録でき、トレーサビリティにも活きます。製品としての全体像はCount & Trackingにまとめています。

― 03 / 誤カウントの要因

誤カウントが起きる4つの要因

AIカメラでも、条件を詰めずに導入すると誤カウントが起きます。代表的な要因は次の4つです。

  1. 重なり・接触:製品同士が重なって隠れると、奥の物体が見えずカウント漏れが起きる。
  2. 高速搬送によるブレ:シャッター速度やフレームレートが搬送速度に追いつかないと、画像がブレたり物体を取りこぼす。
  3. 照明ムラ・反射:照明が不均一だったり、光沢のある製品で反射が出ると、物体の輪郭が崩れて誤認識する。
  4. 多品種混在・形状ばらつき:想定外の品種や形状が流れると、学習・設定が追いつかず誤判定する。
ポイント:これらは「AIの精度が低い」のではなく、多くが撮像条件(カメラ・照明・撮像位置・速度)の設計不足に起因します。良い画像が安定して取れれば、カウント精度は大きく改善します。逆に、どんなに高性能なAIでも、ブレた・暗い・反射した画像からは正確に数えられません。
― 04 / 撮像設計

精度を上げる撮像設計

カウント精度を決めるのは、AIそのものよりも「どんな画像を取るか」です。次の観点を設計段階で詰めます。

撮像設計は外観検査でも計数でも共通の勘所です。Nsightは画像検査を現場で運用してきた経験から、ライン条件に合わせた撮像設計を強みにしています。エッジでの処理はNsight Edgeで完結できます。

― 05 / 向くケース

AIカメラ計数が向くケース

次のような条件では、AIカメラによる計数が特に効果を発揮します。

箱・ケース単位の計数はケース計数AI、ライン上の通過数はコンベア計数AIとして整理しています。現場の動きそのものを見える化したい場合は工程可視化・動線分析AIが接続します。

― 06 / 導入

導入の進め方

コンベア計数AIは、多くの場合、既存ラインを大きく改造せずに導入できます。堅実な進め方は次の通りです。

ステップやること
① 条件整理ライン速度・製品・重なり・多品種の有無・必要精度を整理する
② 撮像検証実際の製品で画像を取得し、カウントできるかを小さく検証する
③ 設置・調整カメラ・照明を設置し、撮像条件とカウント設定を調整する
④ システム連携カウント結果を既存の表示・記録・実績管理へ連携する
⑤ 運用・改善運用しながら誤カウント要因を潰し、精度を高める
まとめ:コンベアの個数カウントは、重なり・多品種・ばらつきがあるならAIカメラが向く。誤カウントの主因は撮像条件の設計不足であり、速度・照明・撮像位置を詰めれば精度は上がる。既存ラインを大改造せず、小さく試してから本格導入するのが堅実。
― 07 / 関連

関連記事・関連ソリューション

― 08 / FAQ

よくある質問

光電センサーでの計数とAIカメラでの計数は何が違いますか?

光電センサーは「通過した物体の数」を点で検知するため、設置が簡単で安価ですが、製品同士が接触・重なっている場合や、形状・サイズがばらつく多品種では誤カウントが起きやすくなります。AIカメラは画像全体を見て個々の物体を認識するため、重なりや多品種混在に強く、品種ごとの内訳も同時に取れます。安定した単品ラインはセンサー、ばらつき・重なり・多品種があるラインはAIカメラが向いています。

コンベアの速度が速くてもカウントできますか?

高速搬送でも、カメラのシャッター速度・フレームレートと照明を適切に設計すればカウントできます。重要なのはブレない画像を安定して取得することで、搬送速度に対してフレームレートが不足すると物体を取りこぼします。ライン速度・製品サイズ・必要精度から撮像条件を逆算して設計します。速度が非常に速い場合はラインカメラの活用も検討します。

製品が重なっていてもカウントできますか?

重なりはカウント精度を下げる代表的な要因ですが、AIによる物体認識と、撮像位置・照明の工夫を組み合わせることで精度を高められます。完全に重なって隠れた物体は原理的に見えないため、可能であれば搬送上で適度に間隔を空ける、斜め・複数方向から撮るなどの工夫が有効です。現場のライン条件に合わせて、どこまでの重なりに対応するかを設計段階で詰めます。

既存のコンベアラインにそのまま導入できますか?

多くの場合、既存ラインを大きく改造せずにAIカメラを追加する形で導入できます。カメラと照明を適切な位置に設置し、計数結果を既存の表示・記録システムへ連携させます。ラインの速度・製品・必要精度によって最適な構成は変わるため、まずは現場の条件を確認し、小さく試してから本格導入する進め方をおすすめします。

コンベアの個数カウント、相談しませんか

重なり・高速搬送・多品種混在で計数に困っていませんか。ライン条件に合わせた撮像設計から、既存システムへの連携まで、画像AIを現場で運用してきた観点で支援します。

個数カウントの自動化を相談する →