有無検査・個数カウント 自動化ガイド

有無検査・個数カウントの自動化

エリア計測、ブロブ、パターンサーチ——画像処理による自動化の基礎。

2026-04-24 / Nsight Inc.
01
エリア計測・ブロブ・パターンサーチの3手法を組み合わせることで、有無判定・個数カウント・品種判別を高精度に自動化できる。
02
計数AIの実装方式は物体検出・セグメンテーション・密度推定の3種類があり、対象物の特性と要求精度で選択する。
03
多品種の識別にはVLMが有効で、学習コスト削減・新品種追加の即時対応を実現できる。
― 目次
  1. 有無・品種判別検査とは
  2. エリア計測(面積検査)
  3. ブロブ(個数カウント)
  4. パターンサーチ(品種判別)
  5. 輪郭形状によるサーチ
  6. Nsightのアプローチ
  7. 計数検査と存在確認の業務上の重要性
  8. 従来の計数手法の限界
  9. AI計数の実装方式
  10. 業界別の計数AI適用例
  11. 存在確認(プレゼンス検出)の応用
  12. 計数AI導入のROI
  13. 計数誤差の業界別許容範囲
  14. 計数AIの精度向上テクニック
  15. 計数AIの応用範囲拡大
  16. 計数AIの導入時のチェックリスト
  17. よくある質問
― 01 / 基礎知識

有無・品種判別検査とは

部品の有無、数量、品種が正しいかを確認する検査です。入出荷時のカウント、基板上の部品有無、接着剤塗布の確認など、製造・物流の幅広い工程で使われています。

― 02 / エリア計測

エリア計測(面積検査)

画像を白黒2値化して、白または黒の画素数を数えます。これにより対象物の面積や有無を判定できます。設定した面積の閾値で合否を判定するシンプルな手法です。

― 03 / ブロブ

ブロブ(個数カウント)

2値化した画像から、白または黒のかたまりの数をカウントします。各かたまりの面積・位置・形状も取得でき、個数だけでなく形状による判定も可能です。

濃淡ブロブでは、背景に対して明るい・暗いかたまりを検出し、照度変動の影響を受けにくい安定した検出ができます。

― 04 / パターンサーチ

パターンサーチ(品種判別)

あらかじめ登録した画像パターンと入力画像を比較し、相関値(一致度)を算出します。異品種の混入や部品の抜けを検出できます。

高速性と高精度を両立するために、圧縮画像での粗サーチ→段階的な精密サーチというアルゴリズムが使われます。

― 05 / 輪郭形状サーチ

輪郭形状によるサーチ

画像の輪郭情報を使ったサーチでは、表面状態の変化や対象物の欠け・重なりがあっても安定した検出が可能です。自動特徴抽出アルゴリズムにより、誰が設定しても安定したサーチが実現できます。

― 06 / Nsightのアプローチ

Nsightのアプローチ

Nsightは元キーエンス画像処理部門のメンバーが在籍しており、個数カウント・品種判別の検査設計からAI連携まで一貫して対応します。パターンサーチで対応しきれない多品種の識別には、VLMが特に威力を発揮します。

多品種外観検査(VLMは裏方として活用)

ルールベース+従来AIで検査を行い、VLMは「学習コストを下げる武器」として裏方で活用します。NG画像生成・アノテーション自動化・ブラウザベースの学習機能の3つをパッケージ化していく方針です。これらの機能により、お客様にとっての使いやすさを高めると同時に、各現場の検査データを蓄積できる構造を作ります。

ラベル文字認識・照合(VLMが検査自体を行う)

賞味期限・ロット番号・産地情報等の日本語テキストを読み取り、マスターデータと照合する用途です。VLMが学習なしで文字の位置と意味を理解するため、品種が変わっても設定変更なしで対応可能です。

サンプル画像をお送りいただければ、検査精度の無料検証を実施します。

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― 07 / 業務上の重要性

計数検査と存在確認の業務上の重要性

製造業・物流業で「正確な個数」「部品の有無」を確認することは、出荷品質と顧客信頼の根幹。1個多い・少ないというだけで返品・クレーム対応が発生し、業務コストが膨張します。

― 08 / 従来手法の限界

従来の計数手法の限界

限界①: 人手カウントの誤差

10個程度なら正確でも、50個・100個になると人間の集中力では誤差が発生。連続作業による疲労蓄積でさらに誤差増大。

限界②: 重さによる計数の誤差

重量変動や個体差で誤差が発生。形状違いの混在では機能しない。

限界③: 製品の重なり・隠れ

製品が重なっている、容器内で見えにくい場合は人手では正確に数えられない。

― 09 / AI計数の実装方式

AI計数の実装方式

方式①: 物体検出ベース

YOLO等の物体検出モデルで個別物体を識別し、ボックス数をカウント。一般的な計数に最適。

方式②: セグメンテーションベース

各物体の領域を画素レベルで識別し、領域数をカウント。重なりや変形のある対象に対応。

方式③: 密度推定ベース

画像全体の物体密度マップを推定し積分。高密度・大量物体(数百個)の計数に有効。

COUNTING METHODS 計数AIの3つの実装方式 物体検出ベース・YOLO等・個別識別・最も汎用的セグメンテーション・領域識別・重なり対応・変形に強い密度推定・密度マップ・大量物体・高密度向け
― 10 / 業界別適用例

業界別の計数AI適用例

業界計数対象典型誤差率
食品包装菓子・錠剤・冷凍品±0.5%
物流箱詰め品・ピッキング数±0.1%
建設鉄筋・パイプ束±1%
自動車部品ボルト・ナット・小部品±0.3%
製薬錠剤・カプセル±0.05%
― 11 / プレゼンス検出応用

存在確認(プレゼンス検出)の応用

応用①: 部品取り付け確認

組立工程で「指定部品が取り付けられているか」を画像確認。組立漏れの自動検出に有効。

応用②: 容器内充填確認

瓶・パック内に内容物が正しく充填されているかを画像判定。空容器・半充填の検出。

応用③: マークシール貼付確認

商品にマーキングシール・QRコード・ラベルが正しく貼付されているか確認。

― 12 / ROI

計数AI導入のROI

計数業務の自動化により、人件費削減・誤差クレーム削減・全数記録によるトレーサビリティ強化が実現。投資回収期間は1〜2年が標準。

※ 上記はあくまで一般的な目安です。実際の費用は検査内容・ライン構成により異なります。

― 13 / 許容範囲

計数誤差の業界別許容範囲

計数誤差の許容範囲は業界要件で大きく異なります。製薬業界は最も厳格(±0.05%)、物流業界は厳格(±0.1%)、自動車部品は中程度(±0.3%)、食品包装は中程度(±0.5%)、建設業は緩やか(±1%)。要求精度に応じた手法選定が、コスト最適化の鍵です。「とりあえず最高精度」を選ぶと、必要以上の投資になりやすい領域です。

※ 上記はあくまで一般的な目安です。実際の費用は検査内容・ライン構成により異なります。

― 14 / 精度向上テクニック

計数AIの精度向上テクニック

計数精度を向上させる技術的工夫を体系化します。第一に、撮像時に物体重なりを最小化する搬送設計。第二に、複数フレーム合成による検出ロバスト性向上。第三に、業界特化モデルの活用(食品計数、部品計数等)。第四に、エラー検知ロジック(前後フレーム比較・想定範囲逸脱検知)。これらを組み合わせて±0.1%精度を達成できます。

― 15 / 応用範囲拡大

計数AIの応用範囲拡大

計数AIは「個数を数える」だけでなく、関連業務への応用拡大が進んでいます。在庫管理(リアルタイム棚卸)、ピッキング検証(指示通りの数量)、出荷確認(パレット単位の積載数)、製造工程管理(ライン上の流量管理)など。元々の計数機能に、業務システム連携を加えることで、業務全体のデジタル化が実現します。

― 16 / 導入チェックリスト

計数AIの導入時のチェックリスト

計数AIの導入時は、要求精度・対象物の特性・撮像環境・サイクルタイム・既存システム連携の5項目を必ずチェックします。各項目で要件を明確化することで、導入後のトラブルを未然に防げます。

― 17 / FAQ

よくある質問

バーコードやICタグとの併用は?

AI画像カウントとバーコード照合・RFID読取の組合せで、冗長的な正確性確保が可能です。

ライン速度はどこまで対応できますか?

エッジ推論で毎秒10〜30個の対象までリアルタイム処理可能です。

鉄筋・食品・電子部品など対象ごとの違いは?

対象の形状特徴に応じて、撮像条件と学習データを調整します。

個数カウントはどこまで正確にできる?

適切な照明とカメラ設定で、数百個レベルのカウントでも99.9%以上の精度を実現できます。照明条件が安定していることが前提です。

品種判別は何品種まで対応できる?

パターンサーチでは登録した品種数に応じて処理時間が増加します。数十品種まではルールベースで対応可能ですが、数百品種以上になるとVLMの活用が有効です。

― REVIEWED BY
嶋野(元キーエンス画像処理部門 開発)
キーエンス画像処理部門での実務経験をもとに、製造業の外観検査・画像処理に関する技術監修を行っている。会社概要 →

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