Physical AI / 国家プロジェクト・技術動向

フィジカルAIとロボティクス基盤モデルの最新動向
Cosmos・国家プロジェクト・国内各社を整理

AIの応用領域は、ソフトウェア内で完結する用途に加え、物理空間で動作する「フィジカルAI」へも広がっています。NVIDIAの物理推論モデル群、経済産業省・NEDOが進める国産基盤モデル開発事業、そして2026年9月16日のフィジカルAI Summitで公開された成果と、国内各社が個別に公表している関連技術の動向まで、公式発表・一次情報にもとづいて整理します。数値や名称の一部には、公開資料でも確認できていない点や限定条件が残ることを明示しながら解説します。

2026-09-19 / 最終更新 2026-09-19 / 読了時間:約16分
01
NVIDIA Cosmos Reasonは、空間・時間・基礎的な物理に関するデータで後学習された物理推論VLM。Chain-of-Thought形式の推論を出力し、生成動画が重力・物体の永続性・衝突ダイナミクスに沿うかを評価する用途などが公式に示されている。
02
経産省・NEDOのFRONTiaプロジェクトは2026年度予算3,873億円。Noetra株式会社が開発枠、産総研が中心となる探究枠を担い、Rubin GPU約27,500基のAI計算基盤を2028年6月稼働予定で計画している。「5年で1兆円」という総額は公開一次資料では確認できていない。
03
2026年9月16日のフィジカルAI Summitでは、AIRoAがNEDO委託事業「国産汎用ロボット開発コンペティション」の成果を初公開し、ugo・THK・EmplifAIなど7社が出展。あわせてFastLabel・PFN・Mujinがそれぞれ個別に公表している関連技術動向も整理する。EU AI Act・EU機械規則・日本の各種指針は、いずれも一律義務ではなく用途・分類に応じた個別適用として整理する必要がある。
― 目次
  1. なぜ今「フィジカルAI」なのか
  2. NVIDIA Cosmos:物理推論プラットフォームの実像
  3. 日本の国家戦略:FRONTiaプロジェクトとNoetraの始動
  4. 2026-09-16 フィジカルAI Summit:国内各社の実装動向
  5. 法規制・ガバナンスの課題
  6. 主要な一次情報
  7. 関連記事・関連ソリューション
  8. よくある質問
― 01 / 背景

AIの重心が、ソフトウェアから物理空間へ移っている

この数年のAIの議論は、テキストや画像を生成する「生成AI」から、業務手順を自律的に進める「エージェント型AI」へと重心を移してきました。ここに2026年、もう一段の変化が重なっています。ロボットや産業機械のように、実際に物理法則に従って動く対象を、AIが理解し、判断し、動かす——「フィジカルAI」への広がりです。

従来の視覚言語モデル(VLM)は、画像や動画に「何が写っているか」を答えるのは得意でも、重力や衝突、物体が遮蔽されても存在し続けるといった物理的な整合性を踏まえた判断は保証していませんでした。ここに対応するのが、NVIDIAが開発する物理推論モデル群です。同時に、日本では経済産業省・NEDOが国産基盤モデルの開発に巨額の支援を投じ、国内のロボティクス企業各社が具体的な製品・データ基盤を公開する段階に入りました。本記事は、これらの動きを一次情報にもとづいて整理し、製造業・物流業の経営層・現場責任者が押さえるべき論点を棚卸しします。

― 02 / グローバルの技術革新

NVIDIA Cosmos:物理推論プラットフォームの実像

Cosmos Reasonは「物理法則を理解する」VLM

NVIDIA Cosmosは、世界基盤モデル(World Foundation Models)、ガードレール、GPUアクセラレーションされたデータ処理・キュレーション機能を備える、物理AI向けのプラットフォームです[出典:NVIDIA公式ドキュメント]。その中核をなす「Cosmos Reason」は、空間・時間・基礎的な物理に関する理解を対象に後学習された、推論用のマルチモーダル大規模言語モデル(VLM)で、長いChain-of-Thought(思考の連鎖)形式の推論過程を出力できる点が特徴です[出典:NVIDIA Research]。ただし、この推論出力はロボット動作の安全性や物理法則への適合そのものを保証するものではなく、後述の動画クリティック用途などでの評価・判断を補助する仕組みです。NVIDIA Researchは7Bと56Bの両モデルを開発・評価していますが、公式プロジェクトページが明示的に一般公開モデルとして案内するのは現時点で7Bです。56Bはベンチマーク評価の対象として登場するため、「両モデルがいずれも公開されている」と一律に書くのは正確ではありません[出典:NVIDIA Research、Hugging Face公式モデルカード]。

公式ドキュメントでは、Cosmos Reasonが「生成された動画が重力(gravity)、物体の永続性(object permanency)、衝突ダイナミクス(collision dynamics)などの基礎的な物理法則に沿っているか」を評価する動画クリティックとして利用できると説明されています[出典:NVIDIA公式ドキュメント]。これは、生成候補を採点・フィルタリングし、より物理的に妥当な候補を選ぶ用途であり、「Cosmosが生成する動画は必ず物理法則を守る」という無条件の保証ではない点に注意が必要です。

要素NVIDIA公式情報にもとづく説明
モデル規模Cosmos-Reason1-7B(公式に公開)、Cosmos-Reason1-56B(研究として開発・評価)
推論方式Chain-of-Thought形式の長い推論過程を出力するよう設計
評価対象の物理要素重力、物体の永続性、衝突ダイナミクスなど(動画クリティックとしての評価軸)
ベース構成Cosmos-Reason1-7BはQwen2.5-VL-7B-Instructをベースに後学習

出典:NVIDIA公式ドキュメント(docs.nvidia.com/cosmos)、NVIDIA Research(research.nvidia.com/labs/dir/cosmos-reason1)、Hugging Face公式モデルカード(nvidia/Cosmos-Reason1-7B)。取得日2026-09-19。

クラウド依存からエッジAIへ:Jetson Thorでのローカル推論

フィジカルAIの現場実装では、判断の遅延やネットワーク依存を避けるため、クラウドから離れた「エッジAI」でのローカル推論への移行が論点になっています。NVIDIAの現行の公式ドキュメントでは、Jetson AGX Thor上でのエッジ推論構成が示されていますが、そこで明示的に検証対象とされているのはCosmos-Reason2です。Cosmos-Reason1-7BがJetson Thorで公式に検証済みという記載は、今回確認した一次資料の範囲では見当たらず、この点は「今後の対応拡大が見込まれる領域」として区別して理解する必要があります[出典:NVIDIA公式ドキュメント(前提条件・VSS関連ページ)]。

合成データの自動生成とキュレーション

フィジカルAIの学習には、実世界で発生しにくい異常事象・危険事象のデータが不足しがちです。これに対応するため、NVIDIAはCosmosの生成系モデル(Cosmos Transfer、Cosmos Predictなど)による物理ベースの合成データ生成と、大規模な実世界・合成データセットを処理・精製・注釈付けする「Cosmos Curator」を提供しています[出典:NVIDIA Newsroom]。さらにCosmos Reasonを用いて、生成された候補データを自動的に採点・フィルタリングし、より物理的に妥当なものを選別する構成(best-of-Nサンプリング)も公式に説明されています[出典:NVIDIA公式ドキュメント、NVIDIA Newsroom]。ただし、これも「人手レビューが不要になる」という意味ではなく、データキュレーションの効率化・自動化の一手段として位置づけられています。

― 03 / 日本の国家戦略

日本の国家戦略:FRONTiaプロジェクトとNoetraの始動

FRONTiaプロジェクトの予算規模

経済産業省とNEDOは、国産マルチモーダル基盤モデルの開発を目的とする事業「FRONTiaプロジェクト」を、2026年度から2030年度にかけて実施しています[出典:経済産業省、NEDO]。2026年度(令和8年度)の事業予算は3,873億円で、NEDOの公募要領では提案1件当たりの2026年度予算額を原則3,834億円以下としています[出典:経済産業省予算資料、NEDO公募要領]。この3,873億円は国からNEDOへの交付金を原資とする事業全体の予算であり、Noetra一社への直接補助・政府出資という意味ではない点に注意が必要です。また「5年間で1兆円規模」という総額は、2026年9月19日時点の公開一次資料では確認できていません。NEDOの公募要領では、5年度分の総額は提案者が暫定として設定するとされ、2027年度以降は毎年度のステージゲート審査によって継続可否が判断される仕組みになっています[出典:NEDO公募要領]。

Noetra株式会社と産総研による開発体制

本事業に採択されたのは、Noetra株式会社(ノエトラ)と産業技術総合研究所(産総研)です[出典:経済産業省、産総研]。Noetraは2026年1月7日に設立され、同年6月1日に現社名へ変更した企業で、ソフトバンク、ソニーグループ、NEC、ホンダ、ファナック、オムロンなどを含む合計44社から出資を受けたと発表しています[出典:Noetra公式発表]。事業は、Noetraが担う「開発枠」と、産総研が中心となる「探究枠」を、部分提案ではなく一体の実施体制として推進する仕組みです[出典:NEDO公募要領]。

NVIDIAとの協業:Vera Rubin AIファクトリー

NoetraはNVIDIAとの協業により、Rubin GPU約27,500基、Vera CPU約13,750基、140MW規模のAI計算基盤「Vera Rubin AIファクトリー」を構築する計画を発表しています[出典:Noetra公式発表、NVIDIA公式発表]。この基盤は2027年4月に構築を開始し、2028年6月の稼働を予定しているとされ、FRONTiaプロジェクトの計算基盤になる予定だとNVIDIAは説明しています[出典:NVIDIA公式発表]。2026年9月時点ではいずれも計画段階であり、稼働中の実績ではありません。

学習済みモデルについては、計画では、日本国内のモデル開発・利活用事業者へ広く重みを提供することが目的として示されています[出典:NEDO公募要領、Noetra公式発表]。ただし、提供条件・対象範囲の詳細は今後の公表を確認する必要があります。また、Noetraの英語版発表では「日本におけるsovereign AIの開発・活用」という表現が使われており、多言語対応や海外拠点への展開も視野に入れるとされています[出典:Noetra公式発表英語版]。したがって「国内限定で提供する」「データ主権を法的・技術的に保証する」という断定は、公開一次資料からは確認できず、避けるべき表現です。「現場データを守りながら安心して活用できる国産モデルを目指す」という目的意識として理解するのが正確です。

項目内容(一次資料にもとづく)
事業期間2026~2030年度(経産省・NEDO)
2026年度予算3,873億円(提案1件当たり原則3,834億円以下)
5年間の総額提案者が暫定設定、毎年度ステージゲート審査。「1兆円」は一次資料で未確認
実施体制Noetra(開発枠)+産総研(探究枠)の一体推進
出資企業数Noetraへ44社(払込総額・各社比率は非公表)
計算基盤Rubin GPU約27,500基/Vera CPU約13,750基/140MW(2027年4月構築開始、2028年6月稼働予定)

出典:経済産業省(meti.go.jp)、NEDO公募要領・採択発表(nedo.go.jp)、産総研(aist.go.jp)、Noetra公式発表(noetra.co.jp)、NVIDIA公式発表(investor.nvidia.com)。取得日2026-09-19。

― 04 / 社会実装動向

2026-09-16 フィジカルAI Summit:国内各社の実装動向

2026年9月16日、AIロボット協会(AIRoA)は、NEDO委託事業「国産汎用ロボット開発コンペティション」の開発成果を「フィジカルAI Summit」内で初公開しました。同コンペティションの採択企業のうち、ugo、THK、EmplifAIなど7社が出展し、双腕モバイルマニピュレータの試作機などが披露されています[出典:NEDO公式発表]。同資料はAIRoAがNEDOの委託事業の一環としてコンペを実施し、その成果をサミット内で公開したと説明しており、サミット自体の主催者表記はここでは確定させず、各社発表の内容を個別に見ていきます。本記事ではこれに加え、FastLabel・Preferred Networks・Mujinがそれぞれ独自に公表している関連技術の動向も紹介します。これらの発表がフィジカルAI Summit内で行われたことを示す一次資料は確認できておらず、各社の個別発表として区別して扱います。

ugo株式会社:セミヒューマノイド「ugo Nova」と Physical AI Fabric

ugo株式会社は、国産セミヒューマノイド「ugo Nova」を発表しました。同社公表値によれば、可搬重量は片腕最大4kg、双腕では最大10kgです。機体は7軸の双腕アーム、2軸の頭部、腰関節を備えるとされています[出典:ugo公式発表]。「全22自由度」という具体的な自由度数については、同社の発表資料に明示的な記載が確認できておらず、構成要素の単純な足し算で推定した数値を掲載することは避けています。

あわせてugoは、ロボット本体(ugo Nova)、データ収集キット、実世界データ収集を代行する「ugo Data Factory」、モデル開発・評価を支援する「ugo Model Lab」からなる「ugo Physical AI Fabric」を発表しています。これは単一の完成済みプラットフォームというより、データ収集からモデル開発までを一貫して提供する製品・サービス群として位置づけられています[出典:ugo公式発表]。

FastLabel株式会社:OpenLUTRAとData Factory Operations

FastLabel株式会社は、ロボット学習データの記録・品質解析を行うオープンソースのアプリケーション「OpenLUTRA」を公開しました[出典:FastLabel公式発表]。これとは別に、同社はNVIDIA NeMo CuratorとVLMを活用した画像データの重複排除(セマンティック重複排除)を検証し、その知見にもとづく「FastLabel Data Curation」の提供を進めています[出典:FastLabel公式発表]。OpenLUTRAとNeMo Curator活用の取り組みは、公式発表上は別々の取り組みであり、両者を同一機能として説明することは避けるべきです。

また、FastLabelは都内で合計1,000㎡以上のフィジカルAIデータ研究開発拠点を運用しているとし、その知見をもとにデータ生産工場の立ち上げ・運用を支援する「Data Factory Operations」の提供を開始したと発表しています(発表原文の一部はPR TIMES配信面で確認)[出典:FastLabel発表原文(PR TIMES配信)]。

Preferred Networks:PLaMo-SemGroundの共同開発

Preferred Networks(PFN)は、Preferred Roboticsと共同で、屋内移動ロボット向けの環境高度理解基盤モデル「PLaMo-SemGround」の開発を開始しました。目標とするモデル規模は20億(2B)パラメータ級以下とされています[出典:Preferred Networks公式発表]。これは自然言語・RGB画像・深度情報から走行可能領域などを理解するモデルの開発計画であり、2026年9月時点で完成・性能達成を発表したものではありません。

株式会社Mujin:認識とモーションプランニングの技術構成

株式会社Mujinは、自社の技術構成として「認識」「動作(モーションプランニング)」「把持」を、それぞれ高度な技術要素として説明しています[出典:Mujin公式サイト]。現実世界を考慮したモーションプランニングと3D認識技術は、公式資料上は個別の技術項目として紹介されていますが、これを「アーキテクチャ上、認識系とプランニング系を分離・連携させる設計」とまで断定できる記載は、今回確認した公式資料の範囲では見当たりません。AIによる認識と、従来型の確実性を重視したモーションプランニングを組み合わせるアプローチとして理解するのが、現時点で裏付けられる表現です。

企業・団体2026年9月時点の公表内容
AIRoA / NEDO国産汎用ロボット開発コンペティションの成果を9月16日のフィジカルAI Summitで初公開。7社が出展
ugoセミヒューマノイド「ugo Nova」(双腕可搬最大10kg)、「ugo Physical AI Fabric」を発表
FastLabelOSSアプリ「OpenLUTRA」公開、NeMo Curator活用のデータキュレーション、「Data Factory Operations」開始
Preferred NetworksPreferred Roboticsと「PLaMo-SemGround」(2B以下目標)の共同開発を開始
Mujin認識・モーションプランニング・把持を技術要素として構成、実装アプローチを提示

出典:NEDO公式発表(nedo.go.jp)、ugo公式発表(ugo.plus)、FastLabel公式発表(fastlabel.ai、一部PR TIMES配信面)、Preferred Networks公式発表(preferred.jp)、Mujin公式サイト(media.mujin.co.jp)。取得日2026-09-19。

― 05 / 法規制・ガバナンス

法規制・ガバナンスと今後の課題

EU AI ActとEU機械規則:一律義務ではなく個別判定

以下は公開資料にもとづく一般的な整理であり、個別製品への適用判断や法律助言ではありません。

フィジカルAIを実装する企業にとって、EU AI Act(Regulation (EU) 2024/1689)とEU機械規則(Machinery Regulation, Regulation (EU) 2023/1230)の関係は重要な論点です。ただし、これらの要件はロボット一般への一律義務ではありません。AI Actの説明可能性・ログ記録・人による監督などの規定(第12~15条)は、原則として「高リスクAIシステム」に該当する製品・用途に課されるものです。さらに2026年の関連規則改正により、EU機械規則の対象製品(Annex I Section B)に組み込まれる高リスクAIについては、AI Act側の適用条文を限定し、対応する要件を機械規則側へ統合する制度構造に整理されました[出典:EUR-Lex公式原文]。AI Actの一般適用日は2026年8月2日ですが、高リスクAIに関する対応義務は2027年8月2日からとされています[出典:EUR-Lex公式原文]。

実務では、①EU市場への投入有無、②AI Act上の高リスクAI該当性、③機械規則対象製品への組み込み、④安全機能への関与、⑤適用開始日、の順に個別判断する必要があります。以下のログ保存や人による介入設計は、個別法令が直接要求する場合を除き、本記事が推奨するリスク低減策です。

EU機械規則は原則として2027年1月20日から適用され、機械の必須安全衛生要件、技術文書、適合性評価、CE表示などを求めます。自己進化型の安全関連制御については、安全関連の意思決定データを記録可能にし、収集後1年間保持する要件も含まれています[出典:EUR-Lex公式原文]。法令の適用可否は、EU上市・稼働の有無、用途、安全コンポーネントとしての性質、製品区分、経過措置等によって個別に判断されるものであり、本記事はその一般的な整理を示すものであって法律助言ではありません。

日本のガイドラインと推奨設計

日本では、2026年9月19日時点で「AIロボティクス安全ガイドライン」という単一の確定版包括ガイドラインは確認できていません。近接する一次資料としては、AI一般を対象とする経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」、AI安全性を評価するAISIの「AIセーフティに関する評価観点ガイド」、経済産業省の「AIロボティクス実装ロードマップ」、そして既存の労働安全衛生法令・製品安全法令があり、これらを組み合わせて参照する必要があります[出典:経済産業省、AISI]。

これらのガイドラインは法令そのものではなく、AI事業者の自主的な取組を支える指針という位置づけです。したがって、説明可能性の確保、事故調査用のログ保存、人による介入(Human-in-the-Loop)の設計を「一律の法的義務」と表現するのは正確ではありません。一方で、これらは事故調査・再発防止の観点から推奨される設計であり、法的義務の有無とは分けて、時刻同期した入力・出力、モデル/ソフトウェアの版、センサー状態、計画候補、採用動作、安全制御の介入、人の操作・解除履歴を、改ざん耐性のある形で記録することが実務上のベストプラクティスとして推奨されます。高リスクな場面では、権限を持つ担当者が動作を監視し、拒否・上書き・安全停止できるHuman-in-the-Loop設計を、リスクに応じて構築することが求められます[出典:経済産業省AI事業者ガイドライン]。

区分整理の考え方
EUの法的義務対象製品・高リスクAIへの該当性と各条文の適用開始時期を個別確認。2026年改正後のAI Act/機械規則の役割分担を踏まえる
日本の法的義務労働安全衛生法令・製品安全法令等を用途ごとに確認。「AIロボットだから一律に義務」とは一般化しない
政府ガイドライン法令とは区別し、「推奨」「期待される」という表現で扱う
実務上の推奨設計説明可能な運用情報、事故調査可能なログ、Human-in-the-Loop、安全停止をベストプラクティスとして設計(法令上の一律義務ではない)

出典:EUR-Lex公式原文(Regulation (EU) 2024/1689、Regulation (EU) 2023/1230)、経済産業省(AI事業者ガイドライン第1.2版)、AISI(AIセーフティに関する評価観点ガイド)。取得日2026-09-19。本節は法律助言ではなく、公開一次資料の一般的な整理です。

― 06 / Sources

主要な一次情報

本文の事実確認に使用した主要資料です。いずれも2026年9月19日に取得しました。継続更新される文書は、閲覧時点の記載にもとづきます。

― 07 / 関連

関連記事・関連ソリューション

― FAQ

よくある質問

NVIDIA Cosmos ReasonはCosmos-Reason1-7BとCosmos-Reason1-56Bのどちらも公開されていますか?

NVIDIA Researchは7Bと56Bの両モデルを開発・評価していますが、公式プロジェクトページが明示的に公開モデルとして案内しているのは7Bです。56Bはベンチマーク上の評価対象として登場しますが、7Bと同じ扱いで一般公開されているとは言えません。記事や資料で紹介する際は、この違いを踏まえて表記する必要があります。

FRONTiaプロジェクトの予算「3,873億円」は、そのままNoetraへの支給額と考えてよいですか?

いいえ。3,873億円は経済産業省・NEDOが2026年度(令和8年度)に計上した事業全体の予算であり、国からNEDOへの交付金を原資に、NEDOが実施先へ委託する仕組みです。NEDOの公募要領では提案1件当たりの2026年度予算額を原則3,834億円以下としており、これは事業予算の枠組みであって、Noetra一社への直接補助や政府出資という意味ではありません。また「5年間で1兆円規模」という総額は、2026年9月19日時点の公開一次資料では確認できておらず、5年度分の総額は提案者が暫定で設定し、2027年度以降は毎年度ステージゲート審査で見直される仕組みです。

27,500基のRubin GPUを備えたAIファクトリーは、もう稼働していますか?

いいえ、2026年9月時点では計画段階です。NoetraとNVIDIAの共同発表によれば、13,750基のVera CPUと27,500基のRubin GPUを備える計算基盤の構築は2027年4月に開始し、2028年6月に稼働を予定するとされています。国内のモデル開発・利活用事業者へ学習済みの重みを広く提供することが目的として示されていますが、国内限定での提供に絶対的に限定するとは書かれていません。

EU AI Actは、日本企業が輸出するロボットすべてに一律で適用されますか?

一律には適用されません。AI Actの説明可能性・ログ記録・人による監督等の要件は、原則として対象となる「高リスクAIシステム」に該当する製品・用途に課される規定です。さらに2026年の関連規則改正により、EU機械規則(Machinery Regulation)の対象製品に組み込まれる高リスクAIについては、機械規則側へ要件を統合する制度構造に整理されています。EU向けに機械・ロボットを扱う場合は、自社の製品・用途がどの分類に該当するかを個別に確認する必要があり、一律義務と決めつけないことが重要です。

「日本のAIロボティクス安全ガイドライン」という単一の政府文書はすでに存在しますか?

2026年9月19日時点の公開情報では、その名称の単一の確定版包括ガイドラインは確認できていません。近接する一次資料としては、AI一般を対象とする経済産業省の「AI事業者ガイドライン」、AISIの「AIセーフティに関する評価観点ガイド」、経済産業省の「AIロボティクス実装ロードマップ」、そして既存の労働安全衛生法令・製品安全法令があり、これらを組み合わせて参照する必要があります。今後、統合的なガイドラインが新設される可能性はありますが、現時点でその存在を前提に語ることは避けるべきです。

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