精度の8割を決める照明設計。同軸落射・ローアングル・暗視野・バックライト・パターン投影の使い分けを解説。
| 照明方式 | 得意な欠陥 | 苦手な欠陥 | 適用例 |
|---|---|---|---|
| 同軸落射 | 面の平坦性、色ムラ | 微細な凹凸 | 金属面、フィルム面 |
| ローアングル | キズ、打痕、凹凸 | 色ムラ | 樹脂成形品、金属部品 |
| 暗視野 | 微細なキズ、異物 | 面全体の不均一 | ガラス面、光学部品 |
| バックライト | 穴、欠け、外形寸法 | 表面キズ | シート材、フィルム |
| パターン投影 | 3D形状、歪み | 微細な色欠陥 | 曲面部品、成形品 |
低角度から光を当てることでキズの凹凸にコントラストが生まれる。キズの方向と光源の方向を直交させるのがコツ。
面全体を均一に照らすことで色味の違いが明確になる。光沢面には偏光フィルタを併用。
側面から光を当て、異物に散乱した光だけを捉える。背景が暗くなるため微細な異物が浮かび上がる。
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多品種外観検査AI|VLMで学習コストを削減 →「カメラとAIさえあれば検査できる」と考えるのは大きな誤解です。AI検査の精度は、撮像系の作り込み—特に照明設計—によって決まります。優れたAIモデルでも、照明が悪ければ検出できません。逆に最適な照明があれば、シンプルなアルゴリズムでも高精度な検査が可能になります。
半球状の拡散照明。光が均一に当たるため、反射の強い金属面・光沢樹脂・メッキ面の検査に最適。撮像対象が立体的な場合に威力を発揮します。
カメラ光軸と同方向から照明する方式。鏡面反射部の検査に有効で、傷・打痕・汚れが背景の鏡面と対比的に浮かび上がります。
側方から斜めに当てる照明。表面の凹凸を強調するのに最適で、わずかなキズ・打痕も陰影として検出できます。
対象の裏側から光を当てる方式。透明・半透明素材の内部欠陥(気泡・異物・クラック)検出に必須です。
偏光フィルターを使い、特定方向の光のみを利用する方式。鏡面反射を抑えて散乱光のみを撮像するため、光沢面の微細傷検出に威力を発揮します。
| 素材 | 第1選択 | 第2選択 |
|---|---|---|
| 金属メッキ | ドーム | 偏光+同軸 |
| 透明樹脂 | 偏光+透過光 | 暗視野 |
| 光沢樹脂(黒) | 偏光+斜光 | 多角度 |
| マット仕上げ | 拡散光 | ドーム |
| はんだ面 | 多角度斜光 | 同軸 |
| 食品包装 | バックライト+拡散 | 同軸 |
窓からの自然光や工場照明を当てにすると、時刻・天候で撮像が変動。検査ブースは完全遮光が原則です。
傷・色・寸法・反射を1つの照明で見ようとすると、どれも中途半端になります。複数照明の高速切替で多パス撮像する設計が正解。
白熱光源は数千時間で輝度が変動。LEDでも10年使うと劣化します。定期校正・交換計画を組み込んだ設計が必要です。
照明は「設置時の性能」だけでなく「経時変動の管理」が運用品質を決定します。LED照明でも光量は時間経過で低下し、年率3〜5%程度の減衰が一般的。これを放置すると検査精度が低下します。
標準的な校正サイクルは月1回〜四半期1回。基準サンプル(OK品の代表)を定期撮影し、画像の輝度・コントラストを過去データと比較。許容範囲を超えたら照明交換または再調整を実施します。
外光(窓・工場照明)の侵入は撮像変動の主因。検査ブースは完全遮光が原則です。ただし、完全遮光が困難な現場では、外光変動を画像処理で補正するアルゴリズムを併用する選択肢もあります。
多角度照明での連続撮像は、ライン速度との両立が重要設計ポイントです。1ワークあたりの照明切替時間を50ms以下、撮像時間を100ms以下に抑える設計が、毎分100個以上のライン速度に対応する標準的な構成です。
本格導入前のPoCで、以下の指標を測定することで照明設計の妥当性を確認できます:
本番導入前のPoCで以下を必ず検証します。OK画像とNG画像のコントラスト比2倍以上、24時間連続稼働での輝度安定性±5%以内、ライン速度における撮像ブレ1ピクセル以内、年間温湿度変動への耐性。これらをクリアして初めて本番導入できます。
※ 掲載の金額・単価は執筆時点の参考値です。実際の費用は要件・時期により変動します。
本番設置前の照明配置シミュレーションが、設計品質を大幅向上させます。3D CADで撮像対象・カメラ・照明を配置し、光の入射角度・反射方向・影の発生箇所を事前検証。照明シミュレーションソフトウェア(DIALux等)を活用すると、光量分布の均一性も数値で評価可能。これらの事前検証により、本番設置後のやり直し工数を大幅削減できます。
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無料サンプル検証を依頼する →同軸・ドーム・リング・バー・偏光などを、検査対象の素材・形状に応じて組み合わせます。
ノイズ除去・コントラスト強調・エッジ抽出など、判定目的に応じて最小限の前処理を設計します。
専門性が高いため、撮像系設計は経験豊富なパートナーへの外注を推奨します。
どんなに優秀なAIでも、照明が不適切だと欠陥が画像に映らず検出できません。照明設計は検査精度の8割を決めると言われています。
検査対象の素材(光沢・マット)、欠陥の種類(キズ・汚れ・変形)、検査面(平面・曲面)によって最適な照明方式が異なります。
最終更新日:2026-04-24