PHYSICAL AI

協働ロボットの安全設計と責任分担 ― 安全柵レスの成立条件、リスクアセスメント、AI動作生成が加わったときの論点

協働ロボットの導入は、ROIの説明がついても決裁が通らないことがあります。止まる論点は決まって三つ ―「安全柵を外していいのか」「事故が起きたとき誰の責任か」「AIに動作を作らせた場合の安全はどう担保するのか」。本記事は、ISO公式ページおよび各社公式サイトで確認できた記載(FACT)と、Nsightの応用仮説(VIEW)を本文上で分離しながら、この三つを社内で議論できる形に並べ直します。

2026-09-25 / 最終更新 2026-09-25 / 読了時間:約16分
01
柵の有無を決めるのはロボットの型式ではなく、アプリケーション単位のリスクアセスメントの結果だと考えられます。協働ロボット本体メーカー自身が「ご使用環境に必要な法令・規格への適合はお客様自身でご確認ください」と明記しています(デンソーウェーブ COBOTTA 製品ページ、取得日2026-09-25/FACT)。
02
規格体系は移行期にあります。ISO 10218-1:2025 および ISO 10218-2:2025 が2025-02-05に発行され旧2011年版は Withdrawn、ISO/TS 15066:2016 は2025-06-26付で「International Standard to be revised(ステージ90.92)」へ移行し ISO/AWI 15066-1 が開発中とISO公式ページに記載されています(取得日2026-09-25/FACT)。社内標準に規格番号を固定して書き込む場合は、最新状況の確認が必要です。
03
AIが動作を生成する構成では、「予見可能な動作範囲」の定義、停止判断をどこに置くか、監督者の停止権限の三つが追加論点として立ち上がると考えられます。Nsight VIEW(確度:中/実導入での検証は未実施)としては、機能安全の担保先を推論系とは別の独立層に置く二層構成が出発点になると考えます。
― 目次
  1. この記事が扱う範囲
  2. 規格体系はいま切り替わり期にある
  3. 「安全柵レス」の成立条件
  4. 何を「監視」し何を「制限」するのか
  5. リスクアセスメントの手順と更新
  6. 生産技術部門と安全衛生部門の責任分担
  7. AIが動作を生成するときの3つの追加論点
  8. 意思決定を前に進めるためのチェックリスト
  9. まとめ|「安全だと示せたから協働できる」
― 01 / 扱う範囲

この記事が扱う範囲 ― 「ロボットの動作を制限する機能安全」の話である

最初に範囲を限定します。工場の安全という言葉は複数の技術領域を同時に指してしまうため、ここを曖昧にしたまま社内議論を始めると、噛み合わないまま時間だけが過ぎる展開になりやすいと考えられます。

扱うもの:ロボット側の制御系で速度・力・領域を制限する機能安全

本記事の対象は、ロボット自身の制御系によって、ロボットの速度・力・動作領域を制限する仕組みです。参照される規格の系統としては、ISO 10218シリーズ(2025年版)、ISO/TS 15066:2016、そして安全関連制御系部分の設計方法論としての ISO 13849-1:2023 が該当します。いずれも版年を併記して扱い、最新状況の確認が必要です。

扱わないもの:AIカメラで人を検知して監視する構成

カメラと画像認識で人の位置・行動を検知する構成は、本記事の対象外です。AIカメラによる安全監視の位置づけについては当サイトの別記事で扱っており、そちらではAIカメラを安全装置として位置づけない立場を示しています。本記事では、その可否について新たな結論を出しません。

両者の技術的責任分界が異なる理由

両者を分けて扱う理由は、担保の前提が逆方向を向いている点にあると考えられます。AIカメラ側の構成は「人を検知できていること」を前提に成立します。検知が成立しなければ保護が働かない構造であり、照明条件・遮蔽・反射・ワークの映り込み・人の姿勢といった環境変数が性能に直接影響します。一方、協働ロボット側の機能安全は「検知できていなくても、ロボットがその速度・力・領域を超えられないこと」を前提に成立します。前者は付加的な検知に依存し、後者はロボット自身の能力上限に制約を設ける構造です。

安全性能の証明先も異なります。協働ロボット側では、安全関連制御系部分(SRP/CS)の設計方法論として ISO 13849-1:2023 の系統が参照され、実機の安全仕様に PL d, Cat.3 といった形で表示される例があります(デンソーウェーブ COBOTTA 製品ページ、取得日2026-09-25/FACT)。またロボット単体は ISO 10218-1:2025、セル・アプリケーションへの統合は ISO 10218-2:2025 が扱い、協働運転については ISO/TS 15066:2016 が ISO 10218-1・-2 の要求とガイダンスを補完すると ISO公式ページに記載されています(取得日2026-09-25/FACT)。AIカメラを安全機能として位置づけようとする場合に同等の証明が成立するかは本記事では扱わず、別記事の立場を参照する形にとどめます。

故障時の帰責構造についても、差があると考えられます。協働ロボット側では、安全機能が機器の仕様として表示され、ユーザー側の責任はリスクアセスメントの実施と設定値の妥当性、および使用環境における法令・規格適合の確認に寄っていきます(デンソーウェーブが「ご使用環境に必要な法令・規格への適合はお客様自身でご確認ください」と明記、取得日2026-09-25/FACT)。カメラによる監視構成では、検知性能が環境と運用に依存するため、責任の所在が機器仕様の外側(設置条件・運用ルール・監視者の対応)に分散しやすいと考えられます。この分散の度合いの差が、両記事を分けて扱う実務上の理由です。

この記事の情報の性格

以下、本文中で一次資料から確認できた事実には「(FACT)」と出典・取得日を添え、Nsightの応用仮説には「Nsight VIEW:」と確度(高/中/低)、および実導入での検証状況を明示します。なお本稿の一次情報確認はISO公式ページおよび各社公式サイトの公開記載(abstract / scope / FAQ / 製品ページ)の取得によって行っており、規格本文(条項番号・要求文)は取得していません。そのため条項番号の引用は一切行いません。また日本国内法令面については、該当条文・通達の一次資料本文を取得できていないため未検証として扱い、条番号・通達番号は記載しません。国内法令面の確認が別途必要です。

― 02 / 前提整理

前提整理:協働ロボットを規律する規格体系はいま切り替わり期にある

社内標準や稟議資料に規格番号を書き込む前に、体系の現在地を押さえておく必要があります。2025年に主要な規格の版が動いているためです。

ISO 10218-1:2025(FACT)

ISO公式ページの記載では、ISO 10218-1:2025 は第3版、発行2025-02-05、95ページ、ISO/TC 299、ICS 25.040.30 です。産業用ロボットを「部分完成機械(partly completed machinery)」として扱う安全要求を規定するとされています。また「意図された使用および製造業者が合理的に予見可能な誤使用の条件下での重大なハザード等を扱う」と記載されています(ISO公式ページ、取得日2026-09-25)。

ISO 10218-2:2025(FACT)

同じくISO公式ページの記載では、ISO 10218-2:2025 は第2版、発行2025-02-05、223ページ。産業用ロボットアプリケーションおよび産業用ロボットセルの統合について、設計・統合・試運転・運用・保守・廃棄・処分、機械および構成部品の統合、それらに関する使用上の情報を規定するとされています。公式FAQには「ISO 10218-1 はロボットを部分完成機械として扱い、-2 は特定用途向けの完全なシステムへの統合に焦点を当てる」「協働ロボットアプリケーションを扱う ISO/TS 15066 のような規格を補完する」との記載があります(ISO公式ページ、取得日2026-09-25)。

旧2011年版の扱い(FACT)

ISO 10218-1:2011 および ISO 10218-2:2011 は、いずれも Withdrawn と記載されています(ISO公式ページ、取得日2026-09-25)。ただし旧版に基づく安全仕様表記の製品は市場に存在します。実際に、後述するとおり ISO 10218-1:2011 を安全仕様として記載している現行製品ページが確認できます。自社が調達する機種がどの版に基づく表記かの確認が必要です。

ISO/TS 15066:2016 と、その現在地(FACT)

ISO/TS 15066:2016 は技術仕様書(第1版、発行2016-02-04、33ページ、ISO/TC 299)で、「協働産業用ロボットシステムおよび作業環境に関する安全要求を規定し、ISO 10218-1 および ISO 10218-2 に示された協働産業用ロボット運転に関する要求およびガイダンスを補完する」と記載されています。ライフサイクル上は2019年・2022年に確認(confirmed)されたのち、2025-06-26 にステージ90.92「International Standard to be revised」へ移行し、後継として ISO/AWI 15066-1 が Under development と記載されています(ISO公式ページ、取得日2026-09-25)。

改訂の内容・時期は本稿執筆時点で確認できていません。予測も行いません。社内標準や仕様書に規格番号を固定して書き込む場合は、最新状況の確認が必要です。

適用範囲に関する注記(断定を避けるべき箇所)

ISO 10218-1:2025 の公式ページには、適用除外として水中・法執行・軍事・航空宇宙・医療・ヘルスケア・義肢・サービスロボット・消費者製品・人の昇降搬送が列挙され、「本文書の発行日より前に製造されたロボットには適用されない」と明記されています。ISO/TS 15066:2016 の公式ページにも、NOTEとして「本技術仕様書は発行前に設計された協働アプリケーションには適用されない」と記載されています(いずれもISO公式ページ、取得日2026-09-25/FACT)。

ここは読み方に注意が必要な箇所だと考えられます。上記は「既設設備が安全でよい」という意味ではなく、どの版で評価するかの整理が必要という意味に受け取るべき記載です。また、列挙されていない事項について「対象外です」と補完して読むことはできません。自社の構成が各文書の適用範囲に入るかどうかの判断は、規格本文および専門家の確認が必要な領域です。

― 03 / 柵レスの条件

「安全柵レス」の成立条件 ― 柵がなくなる根拠はロボット単体ではなくアプリケーション側にある

決裁が止まる第一の論点です。ここは、二つの公式記載をセットで見ることから始めるのが妥当だと考えられます。

メーカー側の一般説明(FACT)

安川電機の産業用ロボットページには、協働ロボットの説明として「産業用ロボットはこれまで柵のなかでしか作業ができませんでしたが、安全装置が組み込まれた協働ロボットの登場により人の隣に産業用ロボットを設置し、柵を設けるスペースも必要なくなりました」と記載されています(安川電機 産業用ロボットページ、取得日2026-09-25)。ただしこれは一般的な製品説明文であり、個別現場での柵不要の根拠ではありません。なお同ページには具体的な安全機能の技術仕様・規格適合の記述は含まれていません。

同時に成立している条件(FACT)

同じ協働ロボットについて、本体メーカー自身が次のように明記しています。「本製品は人・協働運転が実現可能な産業用ロボットです。ご使用に当たっては、関係法令・通達・指針、JIS B 9700:2013などに従い、リスクアセスメントを実施し、十分リスクを低減した上でご使用ください。また、ご使用環境に必要な法令・規格への適合はお客様自身でご確認ください」(デンソーウェーブ COBOTTA 製品ページ、取得日2026-09-25。同ページ内2箇所に掲載)。

順序が逆になっていないかの確認

この二つを並べると、実務上の順序が見えてくると考えられます。「協働ロボットだから柵が不要」ではなく、「アプリケーション単位のリスクアセスメントの結果として、柵以外の方策で十分にリスクを低減できたと示せた場合に、柵以外の構成が成立しうる」という構造です。社内でこの順序を逆にした説明が流通していないかの確認をおすすめします。稟議の場で「メーカーが柵不要と言っている」という一文だけが根拠になっている場合、安全衛生部門が納得できる材料が不足している状態だと考えられます。

ハザードの所在はロボット本体だけではない(FACT)

ISO 10218-1:2025 の公式ページには、NOTEとして「ロボットアプリケーション(溶接、レーザー切断、機械加工等)により追加のハザードが生じうる。これらはロボットアプリケーション設計時に扱われる(ISO 10218-2:2025参照)」と記載されています(ISO公式ページ、取得日2026-09-25)。エンドエフェクタ、ワーク形状、鋭利部、治具が持ち込むリスクは、ロボット本体の安全仕様の表示によって覆われるものではないと考えられます。本体のカタログ値だけで柵の有無を判断していないかは、確認しておきたい点です。

国内法令面(未検証)

日本国内では、労働安全衛生関係法令の産業用ロボットに関する規定と、協働運転に関する行政通達の解釈が実務上の起点になる可能性があると考えられますが、本稿の調査では該当条文・通達の一次資料本文を取得できませんでした。この一文自体、一次資料での裏付けを取れていない仮説として記載しています。そのため本記事では条番号・通達番号・要件を記載しません。国内法令面の確認が別途必要です。確認先としては、厚生労働省、安全衛生情報センター(jaish.gr.jp)、および所轄の労働基準監督署が挙げられます。なお安全衛生情報センターのトップページには、法令・通達の検索機能(法律/政令/省令/告示・指針/通達/法令改正の各一覧)、労災事例、機械災害事例が提供されていることを確認しています(安全衛生情報センター、取得日2026-09-25/FACT)。ただし産業用ロボットに関する具体的な条文・通達の本文ページは、本調査で試行したURLがいずれも404となり取得できていません。

― 04 / 監視と制限

速度・間隔の監視と、出力・力の制限 ― 何を「監視」し何を「制限」するのか

ここは技術的な中心論点でありながら、一次資料の確認範囲を明示しておく必要がある箇所です。

確認できている範囲(FACT)

ISO/TS 15066:2016 が協働産業用ロボットシステムおよび作業環境に関する安全要求を扱う技術仕様書であり、ISO 10218-1・-2 の要求とガイダンスを補完すると ISO公式ページに記載されていることは確認できています(取得日2026-09-25)。

確認できていない範囲(重要・未検証)

いわゆる協働運転の4方式 ― 一般に「安全適合監視停止/ハンドガイディング/速度・間隔の監視/出力・力の制限」の4方式として説明されます ― の名称・定義・要求事項については、ISO/TS 15066:2016 および ISO 10218-2:2025 の公開ページ(abstract / scope / FAQ)からは本文記載を確認できませんでした。したがって本記事では、これらが規格に規定されているとは書きません。社内資料で方式名や要求事項を記述する場合は、規格本文(ISO OBPのプレビューまたは購入版、あるいはJIS対応規格)での確認が必要です。

また、生体力学的な力・圧力の限界値(体部位別の許容値など)について、本稿では一次資料での確認ができていません。数値限界の有無・内容ともに未検証であり、確認は規格本文(購入版またはJIS対応規格)で行う必要があります。本記事では具体的な数値を記載しません。

実装として確認できる事実(FACT)

製品側には、監視機能を内蔵していると記載する例があります。デンソーウェーブ COBOTTA の safety design 節には「鋭利な部分をつくらず、ユニークなアーム構造に加え、指を挟み込まないよう可動範囲も配慮。さらに、速度とトルクを監視する6つのセンサも内蔵し、機能的にも安全です」と記載されています(デンソーウェーブ COBOTTA 製品ページ、取得日2026-09-25)。

制御系の安全性能の表現と、その非対称性(FACT)

協働ロボットの安全仕様が ISO 13849-1:2023 の PL d, Cat.3 として表示されている例があります(デンソーウェーブ COBOTTA 安全仕様、取得日2026-09-25)。

ここで押さえておきたい非対称性があります。ISO 13849-1:2023(第4版、発行2023-04-26、152ページ、ISO/TC 199)は「安全機能を実行する安全関連制御系部分(SRP/CS)の設計および統合に関する方法論、要求、推奨、ガイダンスを規定し、ソフトウェアの設計を含む」とされる一方、「特定の用途で用いるべき安全機能や必要パフォーマンスレベル(PLr)そのものは規定しない」と公式ページに明記されています(ISO公式ページ、取得日2026-09-25)。なお旧版 ISO 13849-1:2015 は2023-04-26に Withdrawn と記載されています。

つまり、「どの機能に、どのPLrを要求するか」を決める作業は規格が代行してくれず、導入側(ユーザーおよびインテグレータ)の判断として残ります。ここを外部に委ねられると考えたまま検討を進めると、稟議の最終段で判断主体が空白になっている状態が露呈しやすいと考えられます。

Nsight VIEW:環境変動に対する感度の差(確度:中/実測比較は未実施)

Nsight VIEW: 速度・間隔の監視は「センサが人を見つけられること」に依存し、出力・力の制限は「ロボット側の駆動・検知系が閉じていること」に依存すると整理できます。前者は環境条件(照明・遮蔽・反射・ワークの映り込み)に感度を持ちやすく、後者は環境変動に対して相対的に閉じている ― この違いは、変種変量ラインで構成を頻繁に変える現場では、そのまま安全機能の再検証コストの差として現れると考えられます。ただしこれは仮説であり、実測による比較は未実施です。

― 05 / リスクアセスメント

リスクアセスメントの手順 ― 誰が、どの粒度で、いつやり直すのか

柵の議論が前に進まない原因の多くは、リスクアセスメントの実施主体と更新条件が社内で決まっていない点にあると考えられます。

起点:本体は「部分完成機械」として供給される(FACT)

ISO 10218-1:2025 はロボットを部分完成機械として扱い、セル・アプリケーションとしての統合は ISO 10218-2:2025 の領域である ― これはISO公式ページおよび公式FAQの記載から確認できます(取得日2026-09-25)。調達したロボット単体の安全仕様表示が、そのままセル全体の安全の証明になるわけではないという構造です。

予見義務の主体が版ごとに書き分けられている(FACT)

ISO 10218-2:2025 の公式ページには「意図された使用およびインテグレータが合理的に予見可能な誤使用の条件下での重大なハザード等を扱う」と記載されています。一方、ISO 10218-1:2025 では同じ箇所が「製造業者が合理的に予見可能な誤使用」となっています(いずれもISO公式ページ、取得日2026-09-25)。予見義務の主体が書き分けられている点は、SIer契約やメーカーとの取引条件において責任の分界を議論する際の出発点になると考えられます。

実施の入口(工程設計時)

実務上の入口としては、作業内容、人の接近頻度、接近部位、想定される接触形態の洗い出しが挙げられます。加えて、エンドエフェクタとワークを含めた形での評価が必要です。前章のとおり、本体の安全仕様表示はアプリケーションが持ち込むハザードを覆うものではないためです。

やり直しのトリガー(本記事の主要な実務論点)

可搬質量やハンドの変更、ワーク形状の変更、レイアウト変更、周辺機器の追加、動作プログラムの変更 ― これらはいずれもリスクアセスメントの前提を変えます。段取り替えの多い現場では、リスクアセスメントは一度きりの通過儀礼ではなく更新対象である、という整理が社内規程に落ちているかの確認をおすすめします。

保守面の要件例(FACT)

メーカー側にも、経年での担保を前提としない記載があります。デンソーウェーブは COBOTTA について、人協働ロボットならではの安全性・性能を維持するため5年ごとに点検が必要とするオーバーホール制度を設けていると記載しています。また年間保守契約の説明として「安全柵内で使用する従来の産業用ロボットとは異なり、人や物がロボットに接近しやすい環境では不意な接触事故による故障が増えてしまう恐れがあります」と記載されています(デンソーウェーブ COBOTTA 製品ページ、取得日2026-09-25)。安全機能は、経年で担保が自動継続するものとして扱えないと考えられます。

周辺機器の適合(FACT)

適合確認済みのサードパーティ周辺機器をそろえるエコシステムも存在します。ユニバーサルロボットは UR+ について「世界中で500を超える適合確認済みサードパーティ製の周辺機器(グリッパー、ドライバー、ソフトウェア、安全センサなど)と容易に接続可能」と記載しています(ユニバーサルロボット日本語サイト、取得日2026-09-25)。ただし「適合確認済み」が指す範囲が製品としての接続性なのか、安全機能としての性能証明なのかは、個別に確認が必要です。

Nsight VIEW:更新トリガーの未定義が実質的な未評価を生む(確度:中/実導入での検証は未実施)

Nsight VIEW: リスクアセスメントを「導入時の一回性の手続き」として設計している組織では、AI動作生成のような構成変更を導入する際に評価の更新トリガーが定義されておらず、実質的に未評価のまま運用に入るリスクがあると考えられます。根拠は、ISO 10218-2 の対象範囲に運用・保守が含まれること(FACT)と、メーカーが5年周期の点検を求める例があること(FACT)の二点です。更新前提の設計が妥当と考えますが、実導入での検証は未実施です。

― 06 / 責任分担

生産技術部門と安全衛生部門の責任分担 ― どこで線を引くかの実務案

決裁が止まる第二の論点です。技術的な正解より、意思決定の分界が決まっていないことが原因になっている場合があると考えられます。

典型的な行き詰まり

生産技術側は「メーカーが協働ロボットと言っているから柵は不要」、安全衛生側は「人に当たる可能性があるなら認められない」。議論が平行し、どちらも相手の判断材料を持っていない ― この形で止まっている場合、追加すべきは技術的な反論ではなく、判断材料の共有だと考えられます。

分界の素材になる事実(FACT)

機器メーカーは「ご使用環境に必要な法令・規格への適合はお客様自身でご確認ください」と明示しています(デンソーウェーブ COBOTTA 製品ページ、取得日2026-09-25)。したがって「メーカーが表示している範囲」と「自社が引き受けている範囲」の境界線は、カタログ・製品ページ上に既に書かれていることがあります。まずこの記載を両部門で同時に読むところから始めるのが、材料としては最短だと考えられます。

Nsight VIEW:4層で切る案(確度:中/実導入での検証は未実施)

Nsight VIEW: 責任分担については、次の4層で切るのが、意思決定を前に進める最小構成になりうると考えます。

これは仮説であり、実導入での検証は未実施です。自社の組織構成に合わせた調整が必要になると考えられます。

外部当事者を忘れない

社内二部門だけで完結しない点も押さえておく必要があります。SIer/インテグレータ、ロボットメーカー、保険、そして所轄の労働基準監督署が当事者に含まれます。契約書上の「どちらが予見義務を負うか」は、ISO 10218-1:2025 が「製造業者」、ISO 10218-2:2025 が「インテグレータ」と主体を書き分けている点(FACT/ISO公式ページ、取得日2026-09-25)と対応させて確認しておくと、後からの齟齬を減らせると考えられます。

記録の実務

誰が・いつ・どの前提でリスクアセスメントを行い、どの設定値を採用したかの記録は、事故時の説明責任だけでなく、段取り替え時の再評価の起点としても機能すると考えられます。記録が残っていない場合、変更前の前提が復元できないため、再評価が事実上のやり直しになります。

― 07 / AI動作生成

AIが動作を生成するとき ― 協働運転に加わる3つの追加論点

決裁が止まる第三の論点です。ここは一次資料で確認できることが限られるため、事実と仮説の分離をとくに厳密に扱います。

背景として起きていること(FACT)

ロボットメーカー各社が、フィジカルAIの実装に関する情報を公開しています。ファナックの産業用ロボットページには、更新情報として「溶接用のAIエージェントを開発」(2026年9月24日)、「Physical AI ― AIエージェントが現実世界で『見て、考えて、動かす』自律オペレーションの実現」(2026年7月14日)、「ロボットの模倣学習を60時間→4.8時間に AWSのGPUでフィジカルAI開発を加速」、「Googleと協業しフィジカルAIロボットシステムの普及を加速」(2026年6月24日)、「口頭指示で動くロボットが実現 オープン化で実装の加速を図る」(2026年6月18日)、「ROBOGUIDEとNVIDIA Isaac Simが連携を強化」が掲載されています(ファナック 産業用ロボットページ、取得日2026-09-25)。なお「60時間→4.8時間」は同社サイトの見出し文言であり、Nsightの検証値ではありません。

ユニバーサルロボットは「UR AI Accelerator は URロボットにAIの機能を実装するための開発キットで、物体検出、分類、経路生成、動作計画などを NVIDIA の Isaac ライブラリと ROS2 で接続する」と記載しています(ユニバーサルロボット日本語サイト、取得日2026-09-25)。デンソーウェーブは COBOTTA の活用例として「AI模倣学習による液体秤量」「AI模倣学習による粉体秤量」「マルチモーダルAIによる塩の秤量」等を掲載しています(デンソーウェーブ COBOTTA 製品ページ、取得日2026-09-25)。また日本ロボット工業会(JARA)は、お知らせとして「【講演会のご案内】『協働ロボットの利活用とフィジカルAI』(2026年11月4日(水))」を掲載しています(JARA、2026/9/7掲載、取得日2026-09-25)。

いずれも公式サイトに掲載されている事実としての引用であり、削減率・投資回収期間・安全性向上の効果についてNsightは推定していません。

追加論点①「動作の予見性」

リスクアセスメントは「意図された使用と合理的に予見可能な誤使用」を前提に構成されています(ISO 10218-1:2025/ISO 10218-2:2025 の公式ページ記載、取得日2026-09-25/FACT)。学習により動作が生成される場合、「予見可能な動作範囲」をどう定義し、どう固定するかが新しい設計項目になると考えられます。動作プログラムを人が記述していた構成では、プログラムそのものが予見の記述に相当していました。生成に置き換わったとき、その役割を何が担うのかを決める必要が生じます。

追加論点②「停止判断をどこに置くか」

ISO 13849-1:2023 は SRP/CS の設計方法論をソフトウェア設計を含めて規定する一方、用途ごとの安全機能と必要パフォーマンスレベル(PLr)自体は規定しないと公式ページに記載されています(取得日2026-09-25/FACT)。推論系の出力を安全機能の判断根拠にできるかについては、本稿の調査範囲では確認できていません(未検証)。本記事では、使える/使えないのいずれとも断定しません。

きわめて示唆的な実在例(FACT)

製品仕様として、すでに可視化されている構造があります。デンソーウェーブ COBOTTA の安全仕様は、標準版が「ISO 10218-1:2011、ISO/TS 15066:2016、ISO 13849-1:2023 PL d, Cat.3」、OSS版(内蔵コントローラを開放し制御用APIを公開し、ユーザーがLinux等をインストール可能な版)が「ISO 13849-1:2023 PL d, Cat.3」のみと記載されています。OSS版では、ロボット安全規格・協働ロボット技術仕様書の表記が外れています(デンソーウェーブ COBOTTA 製品ページ、取得日2026-09-25)。

これはどちらかの版を「安全である/安全でない」と評価する材料ではありません。メーカーが表示する適合規格の範囲が、ソフトウェア構成の自由度によって変わっている ― という事実の提示にとどめます。

Nsight VIEW:機能安全の担保先を推論系の外に置く二層構成(確度:中/実導入事例および効果の検証は未実施)

Nsight VIEW: 上記から、AIによる動作生成を協働運転に組み込む場合、機能安全の担保先を推論系とは別の独立層に置く設計 ― すなわち「何を作るかはAIが決め、どこまで動いてよいかは推論を経由しない独立した安全機能が決める」という二層構成 ― が現実的な出発点になると考えられます。根拠は、ISO 13849-1:2023 が安全機能とPLrの決定を規格側で行わず導入側に残していること(FACT)と、API開放版で適合表示範囲が変わっている実在例(FACT)の二点です。仮説であり、実導入事例および効果の検証は未実施です。

Nsight VIEW: 併せて、メーカーの適合表示範囲がソフトウェア構成の自由度を上げた時点で変わりうるという構造からは、「AIを載せる」という技術判断が同時に「自社が引き受ける責任範囲を広げる」という契約・法務判断でもある、という含意が読み取れると考えます(確度:中/根拠は製品仕様1例であり、一般則としての検証は未実施)。生産技術部門単独では完結しない意思決定として設計しておく必要があると考えられます。

追加論点③「監督者の停止権限」

自律度が上がるほど、「なぜその動作をしたか」の現場説明が難しくなると考えられます。Nsight VIEW: 説明可能性が確保できない領域では、監督者が理由の説明を要さずに停止できる権限(停止しても評価上不利にならない運用ルールを含む)を制度側に置くことが、技術的対策と同等の重みを持つと考えます(確度:低〜中/これは技術要件ではなく組織設計の仮説であり、一次資料の裏付けはありません)。

今後の動向として確認が必要な領域

ISO/TS 15066:2016 が改訂対象(ステージ90.92)となり ISO/AWI 15066-1 が開発中であること(FACT/ISO公式ページ、取得日2026-09-25)は、協働運転に関する要求事項が今後変わりうることを示しています。AI動作生成が改訂で扱われるかについては全く確認できていないため、本記事では動向の確認が必要な領域として提示するにとどめます。

AIカメラ安全監視との混同を避ける再確認

最後に、第1章で述べた区別を改めて置きます。AIカメラによる人の検知を用いる構成と、ロボット側の制御で動作を制限する構成(本記事)は、担保先が異なります。前者は「見えていること」が前提になり、後者は「見えていなくても超えられないこと」が前提になります。AIカメラによる安全監視の位置づけについては別記事に委ねますが、一方をもう一方の代替として扱わないことが、ここでの実務的な要点です。本記事は「協働ロボットの機能安全があるからAIカメラは不要」とも、「AIカメラで人を検知しているから機能安全は簡略化できる」とも述べません。この違いを混同した説明は社内合意を破壊しやすいため、稟議資料では分けて書くことをおすすめします。

― 08 / チェックリスト

意思決定を前に進めるためのチェックリスト(生産技術責任者向け)

ここまでの論点を、社内で確認可能な形に落とします。いずれも「はい/いいえ」で答えられる形にしてあります。答えられない項目が残っている状態は、稟議を通すべきタイミングではないと考えられます。

①〜⑦は社内および取引先への確認で進められる項目、⑧は外部への確認が必要な項目です。稟議資料では、この両者を分けて「未確認のまま進めている項目」を可視化しておくと、決裁者が判断できる状態に近づくと考えられます。

― 09 / まとめ

まとめ ― 「協働ロボットだから安全」ではなく「安全だと示せたから協働できる」

本記事の要点を三つに絞ります。

規格体系は移行期にある

ISO 10218-1:2025・ISO 10218-2:2025 が2025-02-05に発行され旧2011年版は Withdrawn、ISO/TS 15066:2016 は2025-06-26付で改訂対象ステージへ移行し ISO/AWI 15066-1 が開発中 ― いずれもISO公式ページの記載です(取得日2026-09-25/FACT)。社内標準や仕様書に規格番号を固定して書き込む場合は、最新状況の確認が必要です。改訂内容・発行時期の予測は本記事では行いません。

柵の有無を決めるのは型式ではなく評価結果

協働ロボットの登場により柵を設けるスペースが必要なくなったという一般的な製品説明(安川電機、取得日2026-09-25/FACT)と、リスクアセスメントの実施および「ご使用環境に必要な法令・規格への適合はお客様自身でご確認ください」という明記(デンソーウェーブ、取得日2026-09-25/FACT)は、同時に成立しています。この二つをセットで読むと、柵の有無を決めるのはロボットの型式ではなく、アプリケーション単位の評価結果だという構造が見えてくると考えられます。

AIが加わっても論点の中心は担保先の置き場所

Nsight VIEW: AIが動作生成に関与する構成では、機能安全の担保先を推論とは別の独立層に置けるかが論点の中心に来ると考えます(確度:中/実導入事例および効果の検証は未実施)。加えて、メーカーの適合表示範囲がソフトウェア構成によって変わりうる点からは、これが技術判断だけでなく契約・法務判断でもあるという含意が読み取れると考えられます。

なお本記事では、導入効果に関する数値(削減率・投資回収期間・安全性向上の程度)は示していません。また本記事は、いずれの設計についても事故を防げる・安全であるといった保証をしていません。特定メーカー・特定機種の安全性についての評価も行っていません。規格本文の条項・要求文、生体力学的な限界値、国内法令の該当条文・通達については一次資料を取得できていないため、これらの確認が別途必要です。

社内で議論が止まっている場合、まずは第8章のチェックリストで「答えられない項目」を洗い出すところから着手できると考えられます。責任分担の整理や、AI動作生成を含む構成での論点整理からご一緒したい場合は、相談することから始めていただければと思います。

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― FAQ

よくある質問(FAQ)

協働ロボットを導入すれば安全柵は不要になりますか?

『協働ロボットだから柵が不要』という関係ではありません。安川電機は協働ロボットの登場により柵を設けるスペースが必要なくなったと一般的な製品説明として記載していますが(2026-09-25取得)、同時にデンソーウェーブは製品ページで『関係法令・通達・指針、JIS B 9700:2013などに従い、リスクアセスメントを実施し、十分リスクを低減した上でご使用ください。ご使用環境に必要な法令・規格への適合はお客様自身でご確認ください』と明記しています(2026-09-25取得)。したがって、アプリケーション単位のリスクアセスメントの結果として柵以外の方策で十分にリスクを低減できたと示せた場合に、柵以外の構成が成立しうる、という順序で考えるのが実務上は安全です。個別現場での可否は、貴社のリスクアセスメント結果と国内法令の確認によります。

ISO/TS 15066 を読めば協働ロボットの安全要件はわかりますか?

ISO/TS 15066:2016 は協働ロボットシステムおよび作業環境の安全要求を規定し、ISO 10218-1・ISO 10218-2 に示された協働産業用ロボット運転に関する要求およびガイダンスを補完する技術仕様書です(ISO公式ページ、2026-09-25取得)。単独で完結する文書ではなく、ISO 10218シリーズと併せて読む構成になっています。なお ISO/TS 15066:2016 は2025-06-26付で『改訂されるべき国際標準(ステージ90.92)』となり、後継として ISO/AWI 15066-1 が開発中とISO公式ページに記載されています。改訂内容・発行時期は本稿では確認できていないため、確認が必要です。

ISO 10218-1 と ISO 10218-2 の違いは何ですか?

ISO公式ページの記載では、ISO 10218-1 はロボットを『部分完成機械』として扱い、ロボットという機械そのものの安全要求を規定します。ISO 10218-2 はそれらを実際のアプリケーション・ロボットセルへ統合する側(設計・統合・試運転・運用・保守・廃棄、機械や構成部品の統合)を扱います(2026-09-25取得)。両者は2025年2月にそれぞれ第3版・第2版として発行され、旧2011年版は取り下げられています。実務上重要なのは、重大ハザードの予見義務の主体が-1では『製造業者』、-2では『インテグレータ』として書き分けられている点で、ここが契約上の責任分界を議論する材料になります。

協働ロボットの安全機能に要求される性能レベル(PL)はどう決めればよいですか?

ISO 13849-1:2023 は安全関連制御系部分(SRP/CS)の設計方法論・要求・推奨・ガイダンス(ソフトウェア設計を含む)を規定する一方、『特定の用途で用いるべき安全機能や必要パフォーマンスレベル(PLr)自体は規定しない』と公式ページに明記されています(2026-09-25取得)。つまりPLrの決定は導入側の判断として残ります。実機側の表示例としては、デンソーウェーブ COBOTTA が ISO 13849-1:2023 PL d, Cat.3 と記載しています。貴社の用途でどのPLrが必要かは、リスクアセスメントの結果に基づく判断が必要です。

AIカメラで人を検知する構成があれば、協働ロボットの機能安全は簡略化できますか?

この2つは担保先が異なる別の話として扱うべきです。AIカメラによる人の検知は『検知できていること』を前提に成立し、照明・遮蔽・反射などの環境条件に感度を持ちます。一方、協働ロボット側の機能安全は、ロボットの速度・力・動作領域そのものを制御系で制限する仕組みです(デンソーウェーブは速度とトルクを監視する6つのセンサ内蔵と記載、2026-09-25取得)。当サイトの別記事ではAIカメラを安全装置として位置づけない立場を示しています。一方をもう一方の代替として扱う設計判断の妥当性は、本稿の調査では確認できておらず、確認が必要です。

AIに動作を生成させる協働ロボットは、既存のリスクアセスメントの枠組みで評価できますか?

本稿の調査では、推論系の出力を機能安全の判断根拠として扱えるかについての一次資料の記載を確認できませんでした(未検証)。事実として確認できるのは、ロボットメーカー各社がフィジカルAIの実装を進めていること(ファナックの模倣学習・溶接用AIエージェント、ユニバーサルロボットのUR AI Accelerator、デンソーウェーブのAI模倣学習による秤量、いずれも2026-09-25取得)、および ISO 10218シリーズのリスクアセスメントが『意図された使用と合理的に予見可能な誤使用』を前提に構成されていることです。Nsightの仮説としては、動作の生成をAIに任せる場合でも、動作範囲・速度・力の上限を推論系を経由しない独立した安全機能で押さえる二層構成が出発点になると考えます(仮説であり、実導入での検証は未実施)。

ロボットのソフトウェアをオープンに使うと安全上の扱いは変わりますか?

変わる例が製品仕様として実在します。デンソーウェーブ COBOTTA の安全仕様は、標準版が『ISO 10218-1:2011、ISO/TS 15066:2016、ISO 13849-1:2023 PL d, Cat.3』、内蔵コントローラを開放し制御用APIを公開したOSS版が『ISO 13849-1:2023 PL d, Cat.3』のみと記載されています(2026-09-25取得)。つまりソフトウェアの自由度を上げると、メーカーが表示する適合規格の範囲が変わっています。AIや独自プログラムを載せる構成を検討する場合、この表示範囲の差がそのまま自社が引き受ける責任範囲の差になりうる点の確認をおすすめします。

リスクアセスメントは一度実施すれば足りますか?

更新対象として扱うのが妥当だと考えます。ISO 10218-2 が対象とする範囲には統合だけでなく運用・保守が含まれます(ISO公式ページ、2026-09-25取得)。また ISO 10218-1 公式ページは『ロボットアプリケーションが追加のハザードを生じうる(溶接、レーザー切断、機械加工など)』としており、ハンド・ワーク・周辺機器の変更は評価の前提を変えます。さらにメーカー側にも、協働ロボット特有の安全性・性能維持のため5年ごとの点検を求めるオーバーホール制度の例があります(デンソーウェーブ、2026-09-25取得)。段取り替えの多い現場では、再評価のトリガーを社内規程に定義しておくことをおすすめします。

「安全柵を外していいのか」を、社内で判断できる形に整理しませんか?

柵の有無を決めるのはロボットの型式ではなく、アプリケーション単位の評価結果だと考えられます。まずは調達予定機種の適合表示の版と範囲の確認、リスクアセスメントの実施主体と再評価トリガーの定義、そしてAI動作生成を含む場合の安全機能の置き場所から。国内法令面の確認は行政・専門家の領域として切り分けたうえで、設計側と意思決定側の論点整理をご一緒します。

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