鉄筋・資材カウント事例
ホーム > 導入事例 > 鉄筋・資材の本数カウント
Industry:建設・建材Type:カウント・計数

鉄筋・資材の本数カウントを撮影1枚で

国内大手建材商社様の入出庫工程に、スマートフォンで撮影するだけで本数を自動カウントするAIシステムを導入。束ねた状態の鉄筋・鋼管・電線ドラムなど、人手で数えると数十秒〜数分かかる作業を、1枚の写真から数秒で処理します。入出庫管理の工数を根本から削減し、カウントミスによる在庫差異も解消しました。

無料相談する →

導入の背景と課題

建設業の人手不足と、アナログな入出庫作業の板挟み

本事例は、国内大手建材商社様の倉庫における鉄筋・鋼管・電線ドラム等の入出庫カウント工程です。建材は「束」「バンドル」「リール」の単位で入荷しますが、束ごとの本数確認は現場担当者による目視・手作業が長年の慣習となっていました。

国土交通省「建設業の働き方改革の推進」によれば、建設業の就業者数は過去20年間で減少を続けており、さらに就業者の約3分の1が55歳以上という高齢化が進行しています。人手不足は慢性化しており、倉庫作業の効率化は建材商社・建設業全体の喫緊課題です。本案件の現場でも、以下の課題を抱えていました。

👥

密集した棒状物のカウントは時間がかかる

100本を超える鉄筋・鋼管を束ねた状態でのカウントは、目視では1束あたり数十秒〜数分かかり、大口入荷時には検品行列が発生していました

🔄

目視カウントは誤差が避けられない

重なり・陰影・背景色によって視認性が変わり、数え間違いによる在庫差異が発生。特に類似規格が複数混在する現場では、取り違えも問題でした

📉

記録のデジタル化が追いついていない

カウント結果を伝票に転記し、別途在庫システムに入力する二重作業が残っており、転記ミスも工数増の要因でした

⚠️

繁忙期のピーク対応

建築プロジェクトの工期が集中する時期は、入出庫量が急増し、検品が物流のボトルネックになっていました

出典:国土交通省「建設業の働き方改革の推進」
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/sosei_const_tk2_000077.html

Nsightのアプローチ

スマートフォン+Nsight Edgeで「撮るだけカウント」を実現

Nsightは、建設業の現場で最も普及しているデバイスであるスマートフォン・タブレットをカメラとして活用し、撮影した画像をNsight Edge(エッジ推論ユニット)または管理用PCに送信して即座にカウント結果を返す仕組みを構築しました。専用の検査機器を新規導入する必要がなく、既存の業務端末で完結できる点が現場に受け入れられた最大の理由です。

実機の検査画面(イメージ)

撮影した束画像に、AIが検出した各本に番号を付与。1〜598のナンバリングと総本数が即座に表示されます。

NSIGHT EDGE / REBAR-COUNTING
COUNT: 598 TIME: 2.1s
598
本 — 束1(鉄筋φ13 SD345)
各本を個別にナンバリング(1〜598)

※実機画面のイメージです。本番環境では各本に番号ラベルが付き、カウント結果と撮影画像がセットで保存されます。

導入効果

BEFORE
目視カウント+手書き記録
1束あたり数十秒〜数分の目視作業。誤差と転記ミスによる在庫差異、繁忙期の検品行列、記録のデジタル化遅れといった複合的な課題を抱えていました。
AFTER
撮影数秒で自動カウント
スマートフォンで撮影するだけで即座にカウント結果が出力。記録も自動でデジタル化され、在庫管理システムと連携。検品時間は大幅短縮、在庫差異も継続的に改善しています。

カウント方式の比較:建材の本数計数

観点 目視カウント 重量計算
(1本の重さ÷全体)
RFID/ICタグ Nsight Edge
(撮影AI)
カウント時間(100本) 数十秒〜数分 秤量時間のみ タグ読取時間 数秒
精度 疲労で変動 製品重量誤差で変動 高い 98%+
初期投資 ゼロ 秤量設備 タグ+リーダー高額 スマホ/PC+ライセンス
ランニングコスト 人件費継続 タグ消費コスト
既存運用変更 秤量工程を追加 全製品にタグ付与 撮影するだけ
記録のデジタル化 手書き/転記 秤量値のみ 自動記録 撮影画像+カウント値を自動記録

RFIDは精度が高い反面、全製品へのタグ付与コストが障壁になりやすく、建材のような単価の低い製品には向きません。Nsight Edge方式はタグ不要・既存運用の変更最小で導入できる点が、建材商社の現場で受け入れられた最大の理由です。

技術的ポイント:密集した棒状物の分離検出

なぜ密集物体カウントは難しいのか

鉄筋や鋼管を束ねた状態は、AI視点では「端面が重なり合って個体境界が曖昧」な典型パターンです。隣り合う2本の境界は数ピクセルしかなく、光の当たり方や撮影角度によっては完全に同化して見えます。汎用の物体検出AI(YOLOなど)は、このような密集シーンでは1つの物体としてまとめて検出してしまうことが多く、精度が安定しません。

FastSAM系セグメンテーションモデルの活用

Nsight Edgeは、密集物体の分離に強いインスタンスセグメンテーションモデルを採用しています。バウンディングボックスではなくピクセル単位で各物体を分離するため、重なり合う端面でも1本1本を個別に識別できます。FastSAM系のアーキテクチャを用途に応じて選定し、精度と速度のバランスを最適化しています。

VLMによる品種判別との組み合わせ

Nsight Edgeではカウントと同時に品種判別も行います。束に添付された品種札をVLMが読み取り、本数と品種情報を紐付けて記録することで、「何の製品が何本入荷したか」を1回の撮影で完結させます。これにより、取り違え事故の防止と入出庫データの自動化を同時実現しています。

スマホ単体動作と軽量モデルの両立

建材倉庫は電波が届きにくい場所もあります。Nsightは高精度モデル(Nsight Edgeサーバー側)と軽量モデル(スマホオンデバイス)の2系統を用意し、ネットワーク状況に応じて自動切替する設計を採用。どの現場でも安定してカウント機能が使えるようにしています。

開発エンジニアからのコメント

ENGINEER VOICE — 嶋野(元キーエンス画像処理部門 開発)

「建材現場のカウントは、技術的には難しくないように見えて実は奥が深い領域です。100本の鉄筋を撮ったとき、端面が10本で1塊に見えるか、50本で1塊に見えるかは、撮影角度と照明でコロコロ変わります。AIモデルの精度以前に、『撮影する側のガイドをどう設計するか』が成果を左右します。今回はスマホカメラの使いやすさを崩さずに、分離検出の精度を上げる撮影UIを作り込んだことで、現場の担当者が迷わず使える形にできました。」

ソリューション詳細
多品種外観検査AI|VLMで学習コストを削減

よくある質問

はい。鋼管、電線ドラム、パイプ、丸棒、木材、段ボール束など、棒状・円筒状の密集物体全般に対応できます。対象物によって最適なモデルを選定します。
一般的なiPhone・Androidで動作します。カメラ解像度はある程度あれば十分ですが、機種による最適化が必要な場合は導入前にテスト致します。
スマートフォンのLEDライトの併用で多くの環境に対応できます。極端に暗い場所ではハンディライトの追加を推奨します。
CSV出力・API連携・データベース直接書込みなどに対応しています。主要WMS・ERPとの連携実績があり、個別要件に応じて設計いたします。

あなたの倉庫でも試してみませんか?

スマートフォンで撮影した数枚のサンプル画像をお送りいただければ、無料でカウント精度を評価します。

無料サンプル検証を依頼する →